愛好心理
6.6, 2016
「好きなアーティスト、ていうか好きで追いかける人やモノがあるって事はとても幸せなことなんだよ。
対象は何だっていい。AKBでも佐野元春でも、会田誠だってラッセンだっていいんだ。
自分の時間を使って追える対象がある、とても良いことだと僕は思う。」
とあるお店で初対面の20代の女の子に酔っ払ってた僕は偉そうに言った。
偉そうには言ったけど、嘘ではない。YUKIが好きな自分への自己弁護も含めそう思ってるのは確かだ。
そしたら何気なく話したその話題に女の子が激しく同意してきた。
「そうなんですよ~!わかりますわかりますわかります!追っかける対象があるのは幸せですよね、ね!
わかってもらえて嬉しいです!私も毎週末好きなバンドを追っかけしてるんです。
周りのみんなはわかってくれないんです!いつもひとりで追っかけしてる!」
声のボリュームとトーンのレベルを上げて言ってくる。
話によると現在とあるビジュアル系バンドの追っかけをやってるそうだ。そこのギターが超かっこいいんだと。
しばらくそのかっこよさについて熱弁を振るわれた。
一般論を述べたつもりだけど、なんだか僕もそのギターのファン仲間のような感じで話してくれた。
僕は全く、1ミリだって興味はないけどおとなしくフンフンと聞いていた。ファン心理は他人には理解できないものだから。
女の子の話は続く。
そのバンドのギターが好きになる前は40歳男性声優さんの追っかけをしてたそうだ。
「その声優さんも大好きで、イベントがあるたびに必ず参加してた。会場出待ちして顔を覚えてもらって一緒に食事も・・・」
男性声優とご飯か。やっぱイイ声で「美味い」とか言うんかなと思いつつも彼女のファン歴はなかなかレアな感じ。
ひとつ気になることがあったので僕は聞いてみた。
「40代男性声優さんは今でも好きなの?」と。
「バンドのギターを好きになったら全然興味無くなった。なんであんなに夢中になってのかわかんない」
あっさりしたものだ。
ファン心理ってなんだ?彼女がいつまでバンドのギターが好きでいられるかなと思った。
そして見知らぬ40代男性声優に幸あれと思った6月の肌寒い夜。
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